【完全ガイド】カナダの教育システム|中高生の短期留学前に知っておきたい基礎知識
カナダ留学を考える中学生・高校生、そして保護者の皆さまへ。
春休みや夏休みに行われるサマープログラムには直接的には関係ありませんが、カナダでの体験留学(将来高校留学をしてみたいな?)を検討中の方も含めて、「カナダの教育システムを理解しておくと現地での学びがぐっと深まる」という声をよくいただきます。
せっかくカナダに留学するなら、“知っておくとカナダ留学がよりスムーズになる” カナダの教育制度を分かりやすく解説します。
カナダの教育は「州ごとに全く違う」のが最大の特徴
カナダには、日本の文部科学省のように国全体を統一して管理する省庁はありません。教育はすべて 各州の教育省(Ministry of Education) が管轄しています。そのため、カリキュラム内容や卒業要件などは州によって大きく異なります。
州によって変わる主なポイント
- 学年の区切り(エレメンタリー/ミドル/セカンダリー)
- カリキュラムの内容(必修科目・選択科目の多さ)
- 高校卒業に必要な単位数・必修科目やプロジェクトの有無
- 高校に在籍できる年齢制限
- 設備投資や学校施設の違い
- 教育の特色(アートに強い、スポーツに強い、など)
つまり、「カナダの教育」と一言で言えないほど多様で、州ごとに“別の国”のような教育体制をとっています。
なぜ体験留学にも関係するの?
体験留学は「英語を学ぶ」だけでなく、
- ホストスクールの雰囲気
- 授業のスタイル
- クラスメイトの学び方
を実際に見られる貴重な機会です。
どの州を選ぶかによって、短期間でも感じられる学校生活の雰囲気や特徴が変わってくるため、教育制度の違いを知っておくことは意外と大事です。
州の中には「教育委員会(学区)」があり、ここが留学生を受け入れている
カナダの各州の中には、市や地域ごとに学校区(School District=教育委員会)が設置されています。日本で例えると、
都道府県 → カナダの州
市の教育委員会 → カナダのSchool District
と考えるとイメージしやすいでしょう。体験留学は全てこの学区が主催するものですが、夏休みに短期留学で参加するサマープログラムにも、この学区(教育委員会)が直接運営しているプログラムもあります。(それ以外に語学学校が主催するサマープログラムがあります。)
学区(School District)が担う主な役割
- 地域の公立学校の管理
- 留学生プログラム(International Program)の運営
- ホームステイの管理(学区によっては外部提携あり)
- 留学生向けの英語クラス(ELL/ESL)の提供
- 留学生向けアクティビティの開催
学区(教育委員会)ごとに異なるポイント
- 留学生受け入れの基準
- 必要な英語力
- 費用(授業料・ホームステイ費)
- 選べるコースや授業の数
- 留学生向け英語サポート(ELL/ESL)の有無
- アクティビティの内容と頻度
学区主催のサマープログラム を利用する場合は地域や学区の違いが体験内容に大きく影響します。留学先を選ぶ際には「どの学区が運営しているプログラムか」を確認することが大切です。
カナダの一般的な学年構成(Grade)※州により多少異なる
カナダでは「Grade(グレード)」という数え方で学年を表します。州によって多少の違いはありますが、多くの地域で以下のような構成になっています。
| 区分 | 学年 |
| 小学校(Elementary) | Kindergarten ~ Grade 6 |
| 中学校(Middle School) | Grade 7 ~ 8 |
| 高校(Secondary School) | Grade 9 ~ 12 |
日本の学年との比較
| 日本 | カナダ |
| 中学1年 | Grade 7 |
| 中学3年 | Grade 9 |
| 高校1年 | Grade 10 |
| 高校3年 | Grade 12(卒業学年) |
体験留学では年齢や英語力を基準にクラス分けされることが多く、「日本の学年」と「カナダのGrade」が一致しないことは珍しくありません。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にして下さい。
カナダの授業スタイル|体験留学でも感じる“主体性重視”
カナダの多くの州では、主体的に学ぶ「アクティブラーニング(主体性・発言力・探究型学習)」を重視しています。短期留学でも次のような授業文化に触れることができます。
日本と異なる特徴
- 授業中のディスカッションが多い
- プレゼンテーションや発表が多い
- グループワークが頻繁に行われる
- ICT教育の充実(Google Classroom など)
- 選択科目が豊富(アート、演劇、料理、木工、メディア、スポーツ科学など)
体験留学でも、こうした文化の一端を体験し、「もっと長く学びたい」と感じる学生も多くいます。
将来“カナダ高校留学”を視野に入れる可能性があるなら知っておきたいポイント
体験留学から本格的な正規留学へ進むケースも珍しくありません。その場合、州ごとの制度の違いを知っておくことは非常に大切です。
州によって卒業要件が違う
- 必要単位数の違い(80単位必要な州、100単位必要な州など)
- 必修科目の種類(英語・社会・数学など)
- 社会科の必修が複数ある州
- 卒業に英文エッセイや卒業プロジェクトが必要な州 など
高校に在籍できる年齢制限がある州も
例:19歳まで、21歳までなど、州により上限が異なります。
体験留学中に「この州の学校の学び方が合うか」を知れるのは大きなメリットです。
まとめ:短期留学でも“州と学区の違い”を知ると体験留学が充実
数カ月の体験留学でも、どの州・どの学区で学ぶかによって得られる体験は大きく異なります。カナダの教育システムを知っておくことで、現地での学びがさらに濃くなり、今後の進路の選択肢も広がります。
「自分の性格だとどの州の学区のプログラムが向いている?」「初めてでも安全で学びやすい地域はどこ?」など、具体的なご相談もお気軽にお問い合わせください。






