【完全ガイド】カナダ留学の後見人制度(Custodianship)を徹底解説|中高生の短期留学前に知っておきたい基礎知識

日本から小学生・中学生・高校生(未成年)がカナダへ短期留学(2週間~4か月)をする場合、必ず確認すべき制度が「Custodianship(後見人制度)」です。この記事では、カナダで求められる後見人の条件、必要書類、日本側で必要な公証手続きなどを年齢別にわかりやすく解説します。

カナダの後見人制度(Custodianship)とは?

カナダでは、未成年(18~19歳未満:州により異なる)が親の同行なしで留学する場合、現地で責任を引き受ける大人(Custodian)を指名する必要があります。緊急時の学校対応・医療同意・警察対応・ホームステイでのトラブルなど、子どもの安全に関するすべての責任を担います。

対象年齢(小学生〜高校生)

学年受入可否Custodian必要性ポイント
小学生(Grade 1–6)受入可(学校限定)必ず必要日本側の公証を求められるケース多数
中学生(Grade 7–9)受入可(多くの学校)ほぼ必要語学学校主催サマープログラムは不要の場合あり
高校生(Grade 10–12)受入可必要な場合が多い語学学校主催サマープログラムは不要の場合あり

🇨🇦 未成年(小学生〜高校生)がカナダへ短期留学する際の後見人制度 ― なぜ必要なのか?

日本から小学生・中学生・高校生がカナダへ短学するとき、必ずと言っていいほど登場するのが 「Custodianship(後見人制度)」 です。

しかし、
「2週間の春休みでも必要?」
「サマープログラムなら不要?」
「日本側で公証人って必要なの?」

など、実際にはよくわからないまま書類作成に追われるご家庭も少なくありません。

なぜ後見人制度が存在するのか?(制度の背景)

カナダでは未成年が親の保護下を離れて海外から入国し生活する場合、その子どもの安全・医療・緊急対応・生活上の判断責任を現地の「大人の代理人(Custodian)」に委任する必要があるという考え方があります。

理由は主に以下の4つです。

① 緊急時に「保護責任者が不在」になるのを防ぐため

未成年が事故や病気などの緊急事態にあった際、親が日本にいると迅速な判断ができないという課題があります。

→ 例えば交通事故に合ってしまい、治療(手術)に一刻を争う場合など、カスタディアンが「即時の医療判断」と「学校・医療機関との調整」を担います。

② 犯罪被害やトラブルに対するリスク管理

ホームステイ先のトラブル、行方不明、重大な生活問題などが発生した際、「誰が責任をとるのか?」が不明確にならないよう、法律的に責任者を定める仕組みです。

③ 学校が未成年を受け入れるための安全基準

カナダの学校(特に公立学区)は、未成年を受け入れる際にCustodianの提出を法律・校則で義務化しています。※期間に関係なく必須の事が多いです。

④ 親権に関する国際的な取り決めとの整合

カナダでは未成年の保護・監督責任は極めて厳格で、“親の同意+現地責任者=受入条件” が揃わないと留学を許可しない仕組みが根付いています。

州による違い:短期でも必要なの?

結論として、バンクーバー・ビクトリア・トロントなど主要都市では、小学生〜高校生の「短期留学でも」Custodianが必要です。

未成年の年齢主要都市短期でも必要?
BC州19歳未満バンクーバー / ビクトリアほぼ必須
オンタリオ州18歳未満トロントほぼ必須
アルバータ州18歳未満カルガリー必須

プログラム別:後見人の必要・不要の違い

プログラム小学生中学生高校生
学区サマープログラム必要必要必要
語学学校サマープログラム必要不要〜学校が提供不要〜学校が提供
体験留学(2〜4か月)必要必要必要

Custodian(後見人)の条件

小学生〜高校生すべてに共通して、Custodianは下記の条件を満たす必要があります。

  • カナダ在住の18歳以上(21歳以上推奨)
  • 緊急時に即対応できること
  • 学校・医療機関・警察などからの連絡を受けられること
  • 信頼できる人物(学校・留学会社が手配するケースが一般的)

※ホストファミリーは「利害関係があるため不可」の学校が多数

必要書類:カナダ側と日本側の「2部セット」

① Custodian Declaration(カナダ側)

カナダの後見人が「この子どもの監督責任を負います」と宣誓する書類で、現地の公証人(Notary Public)による認証が必須です。

② Parent/Guardian Declaration(日本側・保護者)

保護者がカナダ在住のCustodianに後見を委任する宣誓書です。学校によっては日本の公証役場で親の署名を公証する必要があります。

日本側の公証(Notarization)が必要なケース

ケースカナダ側公証日本側公証
小学生の渡航(学区プログラム)必要ほぼ必須
中高生の学区プログラム必要学校により必要
語学学校のサマープログラム学校が提供不要

日本の公証役場での手続き方法

  • 学校が発行した「保護者用書類(PDF)」を印刷
  • 親(父または母)が身分証を持参
  • その場で署名する様子を公証人が確認
  • 署名の認証文を付与(翻訳不要:英語のままでOK)
  • 手続きは当日〜翌日に完了

費用は4,000〜11,000円程度です。(地域により差あり)

小学生の短期留学で特に注意すべき点

  • 受入学校が限定される
  • Custodian+日本側公証がほぼ必須
  • 単独行動不可、24時間監督体制が前提
  • 航空会社のUMサービス(アナカン)が必要になる場合が多い

よくある質問(FAQ)

Q. 2週間だけの短期留学でも必要?
基本的必要です。期間ではなく「未成年かどうか」で判断されます。
(プログラムにより不要の場合がございますので、主催者に確認しましょう。)

Q. 日本の公証は誰が行いますか?
父または母などの親権者が公証役場で署名します。

Q. カナダに住む親戚をCustodianにできますか?
可能です。ただし書類の公証(カナダ側)が必須です。

Q. ホストファミリーが後見人になることは?
多くの学校で禁止されています。(利害関係が発生するため。)

Q. 英語書類に日本語訳は必要?
不要です。英語のままで公証できます。

中学生・高校生の短期留学(ホームステイ)の応援ガイドブック