「一人で飛行機に乗るのも初めてなのに、海外で乗り継ぎなんてできるの?」
「英語が通じなかったらどうしよう……」
これからサマースクールや短期留学でカナダへ出発する皆さん、そして送り出す親御様。
日本からビクトリア、ナナイモ、コモックスバレーなどへ向かう場合、多くの人がバンクーバー国際空港(YVR)での乗り継ぎを経験します。
今回は「短期留学(6ヶ月未満・eTA利用)」の皆さんに特化した乗り継ぎ方法を解説します。
実は、短期留学の皆さんは、長期留学生よりも手続きが少なくシンプルです。事前に流れを知っておけば、決して怖くありません!
1. 日本からカナダへのフライト事情
まず、日本からカナダへはどうやって行くのでしょうか?
日本からの直行便がある都市
現在、日本(東京・大阪)から直行便が飛んでいる主なカナダの都市は以下の通りです。
- バンクーバー (YVR): 今回のメイン。カナダ西の玄関口です。
- トロント (YYZ)
- モントリオール (YUL)
- カルガリー (YYC)
なぜ「バンクーバー乗り継ぎ」が良いの?
目的地(ビクトリアなど)への直行便がない場合、私たちはバンクーバー乗り継ぎを推奨しています。
- 日本から一番近い: フライト時間が約9時間前後と比較的短く、体への負担が少ないです。
- 日本語案内が豊富: 空港内の看板に日本語表記が多く、安心感があります。
- スタッフが親切: 空港内には「緑のジャケット」を着たボランティアスタッフが多く、困った時に助けてくれます。
2. 【図解】バンクーバー空港(YVR)乗り継ぎ徹底ガイド
ここからが本番です。
短期留学の皆さんのミッションは、「入国審査」→「荷物の預け直し」→「国内線ゲートへ移動」の3ステップです。

STEP 1: 飛行機を降りる~入国審査場へ
飛行機を降りたら、「Arrivals(到着) / Customs(税関)」の看板に従って進みます。人の波についていけば大丈夫です。
エスカレーターを下りると、トーテムポールなどのオブジェがある大きなホール(入国審査場)に出ます。
STEP 2: 入国審査(年齢によって進む道が違います!)

ここが最初の注意ポイントです。あなたの年齢によって手続き方法が異なります。
【A】16歳以上の場合
ホールに並んでいる自動入国審査端末(キオスク)を使って手続きをします。
- 言語選択で「日本語」を選べます。
- パスポートをスキャンし、顔写真を撮影し、質問に答えます。
- 出てきたレシートを必ず受け取ってください。
【B】16歳未満の場合(中学生など)
⚠️ 注意:機械(キオスク)は使えません!
機械の列には並ばず、近くにいる係員に「Under 16(アンダー シックスティーン)」と伝えてください。
または、キオスクエリアの奥に有人のカウンター(Border Services Officer)が見えるので、直接そちらの列に並んでください。
※もし間違って機械を操作してしまっても…
レシートに「×」印やエラーが出てきます。そのレシートを持って、結局有人カウンターに行くだけですので、慌てなくて大丈夫ですよ!
STEP 3: 入国審査官のチェック
順番が来たら、審査官に以下の書類をセットで渡しましょう。
- パスポート
- 入学許可証(Letter of Acceptance)
- 滞在先情報(ホームステイ先の住所など)
- 帰りの航空券(eチケット控え)
- 未成年渡航同意書(Parental Consent Letter)
審査官からいくつか質問(「何しに来たの?」「期間は?」など)をされますが、短期留学の場合はすぐに終わります。「出口はこちら」と促されたら、そのまま進んでOKです!
STEP 4: 【最重要】荷物の受け取りと預け直し(※フライトによって異なります)
■ 原則:最初の到着地(バンクーバー)で荷物の受け取りが必要

日本の空港でスーツケースを預ける際、タグにはたとえ「VICTORIA」など最終目的地が表示されていても、
カナダ入国時は “最初に到着した空港で一度荷物を受け取って税関を通す” というルールが基本です。
そのため、バンクーバー空港の Baggage Claim(荷物受取所)で必ず自分のスーツケースを受け取ります。
※「タグが最終目的地までついているから大丈夫」と思って受け取り場所をスルーしてはいけません。
必ずターンテーブルで荷物を確認してピックアップしましょう。
荷物を受け取ったら “Canada Connections(国内線乗り継ぎ)” の案内表示に従って進みます。
※「Exit(出口)」から外に出ないよう注意!

案内に沿って歩くと Drop-off Belt(国内線用の預け直しベルト) があり、ここに荷物を載せれば完了です。
係員がいる場合は、航空券を見せれば対応してくれます。
■ ただし例外:荷物が最終目的地までスルーで行く場合もあります
以下のように 同一航空会社またはコードシェア便で通しの予約になっている場合は、荷物が最終目的地まで自動的に送られるケースがあります。
● 例)
日本 → バンクーバー:ANA(全日空)
バンクーバー → ビクトリア:Air Canada
→ ANA と Air Canada はコードシェアのため、荷物がビクトリアまでスルーになることが多いです。
■ 要点:利用航空会社の組み合わせによって異なるため「事前確認」が最も確実
- 同じ航空会社(または同グループ)での乗り継ぎ
→ スーツケースが最終目的地までスルーになる可能性が高い - 全く別の航空会社同士の乗り継ぎ
→ バンクーバーで一度受け取って預け直す必要があることが多い
航空会社によってルールが異なるため、チェックイン時に職員へ「荷物は最終目的地まで行きますか?」と確認するのが一番確実です。
STEP 5: 国内線ターミナルへ移動&手荷物検査
案内表示に従って進むと、国内線の保安検査場(Security Check)があります。ここでもう一度、リュックなどの手荷物検査を受けます。
検査を抜けたら、自分の乗る飛行機のゲート番号をモニターで確認し、ゲートへ向かいましょう。
3. 乗り継ぎを成功させる「3つの心構え」
- 「Connections」の文字だけを探す
空港には色々な看板がありますが、荷物を受け取った後はとにかく「Connections(乗り継ぎ)」という単語と矢印を探してください。 - 迷ったらチケットを見せる
言葉が通じるか不安なら、空港スタッフ(制服の人)に無言でチケットを見せるだけでも大丈夫。指差しで方向を教えてくれます。 - Wi-Fiにつないで現地スタッフや親御さんに連絡
YVR空港は無料Wi-Fiが飛んでいます。国内線エリアに入ったら「荷物預け直せたよ!」とLINEを一通送りましょう。それだけで親御さんは安心します。
4. これだけ言えれば大丈夫!サバイバル英会話
難しい文法は不要です。単語と笑顔で乗り切りましょう。
Q. 入国審査場で係員に呼び止められたら(16歳未満)
- “I am under 16.”
(16歳未満です ※機械が使えないことを伝えます) - “I am traveling alone.”
(一人旅です)
Q. 入国審査官に聞かれたら
- “Sightseeing and Study.”
(観光と勉強です ※短期留学の場合、こう答えるとスムーズです) - “Just 3 weeks.”
(3週間だけです ※期間を聞かれたら)
Q. 乗り継ぎ場所がわからない時
- “Where is the connection for Victoria?”
(ビクトリアへの乗り継ぎはどこですか?) - チケットを見せながら “Where is this gate?”
(このゲートはどこですか?)
5. 親子でやっておこう!事前の準備リスト
出発前に、親子で一緒に以下の準備をしておくと、当日のパニックを防げます。
- ✅ 書類の整理: 「パスポート」「入学許可証」「ホームステイ先情報」「帰りの航空券」「同意書」は、クリアファイルにまとめて、リュックの一番出しやすい場所に入れておきましょう。
- ✅ eTAの確認: 今回はビザの代わりに「eTA」を申請しています。承認メールのコピーを持っておくと安心です。
- ✅ 航空会社のアプリを入れる: Air CanadaやWestJetのアプリをスマホに入れておくと、ゲート変更などの通知が届くので便利です。
- ✅ 「もしも」の時の連絡網: 「飛行機が遅れて乗り継げなかった時」に誰に連絡するか(現地の送迎担当者、日本の緊急連絡先など)をメモして持たせてください。
6. 飛行機の乗り継ぎで良くある質問(FAQ)
Q. 英語が全然話せなくて不安です…
A. バンクーバー空港の看板には日本語がありますし、スタッフも慣れています。必要なのは「笑顔」と「チケットを見せる勇気」だけです!
Q. 飛行機が遅れて、乗り継ぎ便に行ってしまったら?
A. 焦らなくて大丈夫です。同じ航空会社のカウンターに行き、事情(Flight delayed)を話せば、無料で次の便に振り替えてくれます。まずは近くの空港スタッフに声をかけましょう。
乗り継ぎにもメリットがあります(スタッフより)
短期留学の皆さんは、難しいビザ発行の手続きがないため、実は皆さんが思っているよりもずっとスムーズに乗り継ぎができます。そして、自分ひとりでカナダで乗り継ぎをして留学先へ到着した時の達成感と自信は、その後の留学生活の大きなプラスになります。
※もし、日本人が少しでも少ない場所をご希望なら、直行便のある都市に比べて、経由便でしか行けない留学先はぐっと日本人の割合も低くなります。
「16歳未満は有人カウンターへ」
「荷物を取って、Connectionsへ進む」
この2つさえ覚えておけば大丈夫です。
このページをスクリーンショットに撮って、お守り代わりに持っていってくださいね。カナダでの素晴らしい体験が待っています!
【注意1】乗り継ぎ時間の確保について
留学をする最終目的地への到着までに乗り継ぎが必要な場合は、乗継時間に余裕のある航空券の手配をお願いします。初めての事で乗り継ぎ時間が短いと焦ってしまいます。
オンラインで航空券を予約する場合は、一番良い乗り継ぎのフライトが表示されることが多いですが、念の為に、そのフライトの次の便など、乗り継ぎには2時間~3時間の余裕がある航空券がお勧めです。(特にピークの時期、夏休みの時期などは空港自体も混みあいますので。)
【注意2】アメリカ経由の場合、アメリカのビザ取得が必要!!
カナダへ留学する際にアメリカを経由して行く場合は、日本人はESTA(エスタ:電子渡航認証システム the Electronic System for Travel Authorization)を事前に取得しておく必要があります。
※同日乗り継ぎ(24時間以内)の乗り継ぎでも必ず必要です。

- タグ
