初めてのカナダ留学でホームステイを成功させるための事前の心構え
カナダでのホームステイは、英語力だけでなく「自立心」「コミュニケーション力」「行動力」を大きく伸ばせる素晴らしい機会です。しかし、文化や習慣の違いを理解していないと、せっかくの留学が“ストレスの連続”になってしまうこともあります。特に多くの学生や親御さまが戸惑うのが、食事の考え方の違いです。
日本とカナダの食事文化の違い
| 日本 | カナダ |
|---|---|
| 朝・昼・夜の食事を家族が準備してくれることが多い | 夜はホストファミリーが作ることが多いが、朝・昼は自分で準備が基本 |
| 朝食はしっかりとした料理・昼はお弁当 | 朝はパン・ヨーグルト・果物などを自分で用意 |
| お弁当を作ってもらう文化 | お昼はサンドイッチを作ってくれる家庭もあるが、基本は冷蔵庫の食材で各自が準備 |
カナダのホームステイでは、夕食はホストファミリーと一緒に食卓を囲むことが一般的です。一方で、朝食はパンをトーストしたりヨーグルトやフルーツを盛りつけるなど、自分で簡単に準備するのが当たり前です。昼食については、サンドイッチを作ってくれる家庭もありますが、あくまで家庭によるため、期待しすぎないことが大切です。
「食事を出してもらう」のではなく、“食材を提供してもらい、自分で準備する時間がある”のがカナダ式ホームステイの食事システムです。
よくある失敗例とその影響
ホームステイは3食付きと聞いていたご両親は、息子さんからお昼をコンビニ等で自費で購入して食べている(お小遣いが思った以上になくなるのが早い)と聞いて、留学エージェントに相談。留学エージェントがホストファミリーに確認すると下記のような状況。
ある高校1年生(男子)は「朝ギリギリまで寝ていたい」「面倒だから」という理由で数カ月ほとんど自己準備をせず、コンビニ等で昼食を購入。ホストマザーは本人に意思を尊重し、食材だけは準備できるよう毎日置いていた。
ファミリーもカナダのスタイルで朝、昼を準備しているのに、本人が食べない(自分で何も準備しない)と逆に不満を感じてしまう。
それにより、信頼関係に影響し、家の雰囲気がぎくしゃくしてしまう。
悪気はなくても、文化を理解していないとトラブルにつながります。このような食い違いがホームステイが上手く行かない原因になってしまうことも多々あります。
本人はもちろん、送り出すご両親様も事前にカナダの文化習慣を理解して一緒に準備して頂くことをお勧め致します。
出発前にできる準備
大切なのは「ホームステイに行ってから練習する」のではなく、日本にいるうちに準備を始めることです。
留学予定の中高生へ
- 簡単な料理(準備)からでOK(サンドイッチ、野菜を千切るなど)
- キッチンを使うときのマナーも習得(片付け・洗い物・道具の戻し方)
- カナダの食事スタイルを事前に理解しておく
親御さんへ
- 一緒に料理練習をする時間を作る
- 日本食の作り方も簡単に教えておくと安心(味噌汁・おにぎりは人気)
マインドセットの転換が成功のカギ
慣れない環境では、どうしてもモヤモヤや違和感を感じることがあります。そのときに大切なのは 「ものの見方を変える力」です。
× なぜ私がやらないといけないの?
○ 日本の当たり前は海外の当たり前ではない(今迄毎日お母さんがこれをやってくれていたのか。感謝!)
カナダのホームステイは “生活を共にする体験”
- 食事後に「Thank you!」と言える
- 使った食器を片付ける
- 分からないことは遠慮せず質問する
- 小さな感謝を伝える
これらの積み重ねが、居心地の良いホームステイにつながります。そしてそれは、将来の自立や社会生活にも必ず活きていきます。
最後に:不安より「楽しむ力」を持ってほしい
ホームステイは、文化の違いに戸惑うこともあります。でも、違いを知ることこそが留学の最大の価値です。食事ひとつ取っても、「してもらう側」から「できる自分になる側」へ。その変化を楽しめた人ほど、カナダで大きく成長します。
出発前から親子で準備し、“カナダの家庭の一員として生活する”ことを楽しむことが、ホームステイを最高の思い出にするための一番のコツです。






