留学のご相談で多いのが、「語学学校は日本人が多そうなので、現地のカナダ人が通う学校に行かせたい」「春休みに1〜2週間、現地の学校に通わせたい」というお声です。
同じ「学校」でも、語学学校は「英語を学ぶ場所」、現地校は「英語で数学や理科などを学ぶ場所」です。目的も、授業の進め方も、通える時期や期間も異なります。
この違いを知らないまま選んでしまうと、「思っていた留学と違った」ということが起こりやすくなります。このページでは、初めて留学を考える親御様にも分かりやすいように、2つの違いを整理します。
語学学校と現地校の違い|この記事のポイント
- 語学学校:留学生が「英語そのもの」を学ぶ学校。英語力に合わせたクラスで、初めての方でも始めやすい。
- 現地校:カナダの中高生が通う学校。英語を使って教科を学ぶため、英語は「学ぶもの」ではなく「使う道具」になる。
- 春休み・冬休み・夏休みの1〜2週間の短期留学で、現地校の授業に参加することは基本的にできません。現地校を体験したい場合は、学期中に1ヶ月から参加できる「体験留学」という方法があります。
ひと目でわかる比較表
| 語学学校 | 現地校(公立・私立の中学・高校) | |
|---|---|---|
| 主な生徒 | 世界各国からの留学生 | カナダの中高生(+留学生) |
| 学ぶこと | 英語(会話・文法・コミュニケーション) | 英語で学ぶ教科(数学・理科・社会など) |
| クラス | 英語レベル別 | 学年・科目別(留学生向けESLがある学校も) |
| 授業の進め方 | 留学生向けに、ゆっくり分かりやすく | 現地の生徒と同じスピード |
| 1〜2週間の短期 | 春休み・夏休みなどに参加できる | 基本的に参加できない |
| 現地校で学ぶ方法 | ― | 体験留学(1ヶ月から)・正規の高校留学 |
「英語を学ぶ」と「英語で学ぶ」の違い
語学学校の先生は、英語が母国語でない生徒に教えることに慣れています。分からないときは言い換えたり、ジェスチャーを使ったりしながら、ていねいに進めてくれます。
一方、現地校の授業は、現地の生徒に向けて行われます。教科の専門用語、グループでの話し合い、発表など、英語を「使って」参加する場面が多くなります。
多くの現地校には留学生向けの英語サポート(ESL)クラスがありますが、一般の教科の授業は現地の生徒と同じ内容で進みます。
よくある誤解:春休みや冬休みの1〜2週間で、現地校に通える?
1〜2週間の短期留学で、現地の生徒と一緒に現地校の授業を受けることは、基本的にできません。
理由のひとつは、学校のカレンダーです。カナダの学校の夏休みは6月下旬から9月初旬ごろまで(州・学区により異なります)、冬休みも日本と同じく年末年始の時期です。日本の長期休みとカナダの休みが重なるため、その時期は現地校の授業自体が行われていません。
春休み・夏休みの短期留学で参加するのは、語学学校や、学区(教育委員会)・私立校が主催するサマープログラムなどです。学校の校舎で行われるものもありますが、内容は留学生向けの英語レッスンとアクティビティが中心です。「現地校の校舎で過ごした=現地校の授業を受けた」ではない点は、知っておいていただきたいところです。
※名門私立校のサマープログラムでは、現地の同世代と一緒に過ごす場面もあります。
夏休みの中高生カナダ短期留学について詳しく見る >
春休みの中高生カナダ短期留学について詳しく見る >
現地校を体験したい場合は「体験留学」(1ヶ月から)
「現地の生徒と同じ授業や学校生活を体験してみたい」という場合は、学期中にカナダの公立・私立高校へ体験入学する「体験留学」という方法があります。期間は1ヶ月から選べます。
体験留学では、正規留学の入学基準になるような高い英語力は求められません。ただ、英語がまったく分からない状態ですと、学校の雰囲気はつかめても、授業の内容はほとんど分からないということもあります。
そのため、体育など英語をあまり使わなくても参加しやすい教科を中心に、「将来カナダの高校に留学したいけれど、自分に合うかどうか確かめたい」「学校の雰囲気を知りたい」という方に向いているプログラムです。
カナダの学校の仕組みと、未成年の留学のルール
カナダには日本の文部科学省のような全国共通の教育省はなく、州ごとに教育制度が決められています。公立学校の運営や留学生の受け入れは、地域ごとの学区(School District:日本の教育委員会にあたる)が行っています。カナダ公立留学協会(CAPS-I)には、全国130以上の教育委員会が加盟しています。
カナダの高校の多くは単位制で、1年を2学期に分けるセメスター制を採用しています。学期ごとに受講する科目を決め、必要な単位を積み重ねて卒業を目指します。
また、未成年の留学には次のようなルールがあります(カナダ移民局〈IRCC〉の規定)。
- 6ヶ月を超える留学では、学習許可証(Study Permit)の取得が必要です。
- 17歳未満の生徒が親と離れて留学する場合、カナダの永住権または市民権を持つ大人を監護人(Custodian)として指定する必要があります。短期のプログラムでも、監護人の指定が求められる場合があります。監護人(後見人)制度について詳しくはこちら >
目的別:どの形が合っている?
初めての海外で、英語と生活に慣れたい(春休み・夏休みの1〜2週間など)
語学学校、学区・私立校のサマープログラムが合っています。
現地の学校の雰囲気を知りたい、将来の高校留学に向けて合うか確かめたい(学期中・1ヶ月から)
体験留学が合っています。
カナダの高校での生活や卒業を目指したい
英語力の準備をしたうえで、正規の高校留学を考えていきます。高校留学についても、どうぞご相談ください。
まとめ
「日本人が少ないから現地校」という選び方よりも、お子様の今の英語力、行ける時期と期間、そして「この留学で何を経験してほしいか」から考えることが大切です。
最初から完璧な環境を選ぶ必要はありません。短期留学で海外生活に慣れ、体験留学で現地校の雰囲気を知り、その先に高校留学を考える。そうして段階を踏んでいくことが、結果として一番の近道になることも多いと、私は考えています。
あわせて読みたい
プログラムや費用を見る前に。
初めてのカナダ留学を
考えるための2冊。

全28ページ

全32ページ








