「夏休みに短期留学に行ってみたいけど、いつ行くのがベストなんだろう?」
そんなふうに迷っている中高生やその保護者の方は多いと思います。
中学1年生で行くべき? それとも高校生になってから?
正直なところ、「この学年がベスト!」という“正解”はありません。
ですが、これまで多くの留学希望者を見てきた経験から、はっきりと言えることがあります。
ベストなタイミングは「本人の気持ちが一番HOTな時」
結論から言うと、「行きたい!」という気持ちが本人の中で一番高まっている時が、ベストなタイミングです。
留学はワクワクする経験ですが、同時に、初めての海外、ホームステイ、言葉の壁、文化の違いなど、チャレンジの連続でもあります。
そうした時、「行きたい!」という気持ちが本人の中にあるかどうかは、大きな分かれ道になります。
NGなタイミングは「親だけが乗り気な時」
最も避けたいのは、本人はあまり乗り気でないのに、親が強く勧めているケースです。
たとえば、こんな例があります。
留学先でホストファミリーや現地の学校で困難に直面した時、
「私は本当は行きたくなかったのに、お母さんが行けって言ったから…」
と、本人が自分で状況を乗り越えようとせず、親のせいにしてしまうことがあります。
こうなると、せっかくの留学が本人にとって「つらい思い出」になってしまう可能性も。
だからこそ、「本人が自分の意思で行きたいと思っているか?」を大切にしてほしいのです。
学年別の現実的なポイント
とはいえ、気持ちだけではなく、現実的なスケジュールや状況も考慮する必要があります。
以下、学年別にメリット・注意点を簡単にまとめてみました。
■ 中学1年生
- ◎ 比較的時間に余裕があり、挑戦しやすい
- ◎ 英語への苦手意識が強くなる前に、楽しい体験として英語に触れられる
- △ ホームシックになる子も多いため、サポート体制が必要
■ 中学2年生
- ◎ 自立心が育ち始め、留学経験がより「自分事」になる
- ◎ 夏休み期間も比較的自由
- △ 部活が忙しくなり始める時期なので、スケジュールの調整が必要
■ 中学3年生
- ◎ 精神的にも安定し、吸収力が高い
- △ 高校受験を控えている場合はスケジュール的に難しい
- △ 中高一貫校なら受験の心配がないためおすすめ
■ 高校1年生
- ◎ 留学をきっかけに「将来を考える」視点が芽生える
- ◎ 学校の推薦やAO入試など、将来の進路にも活かしやすい
- △ 部活が本格化していると調整が必要
■ 高校2年生
- ◎ 語学力が伸びやすく、現地での会話もスムーズに
- △ 高校生活の中心学年なので、部活・課題・進路で多忙になりがち
■ 高校3年生
- △ 大学受験を控えており、短期留学はかなり難しい
- ◎ 進路がすでに決まっている(AO・推薦合格など)場合は可能性あり
その他の判断ポイント
- 部活の中心メンバーになる前に行くのが現実的(中1・高1がおすすめ)
- 英語に対する苦手意識が強くなる前に行けると、英語が「勉強」ではなく「経験」に変わる
- 本人が「一人で行く」ことに興味や勇気を持てるかどうかも重要な判断材料
最後に:親子で「温度感」をそろえよう
留学の時期を考えるとき、まず大切にしたいのは親子の温度感をそろえること。
「親として行かせたい理由」と「本人が行きたい理由」をぜひ話し合ってみてください。
本人の「今、行きたい!」という気持ちを大切にしながら、学年やスケジュールをうまく調整できれば、
その短期留学はきっと一生の宝物になります。
親御さん向けチェックリスト:留学前に確認しておきたい7つのこと
「うちの子、本当に留学に行かせて大丈夫かな?」
「まだ早すぎる?それとも今がチャンス?」
そんな不安や疑問を感じるのは当然のことです。
以下のチェックリストを参考に、親としての視点とお子さんの気持ちをすり合わせてみてください。
1. 子ども本人が「行きたい」と明確に言っている
→「やってみたい」「楽しそう」「ちょっと不安だけど挑戦してみたい」など、前向きな気持ちがあるかどうか。
2. 留学に対して親子で温度差がない
→親だけが「行かせたい」と思っていないか。本人の気持ちをしっかり確認できているか。
3. ホームシックやトラブルの際、自分で少しでも対処しようとする力がある
→完全に一人で何でもできなくてもOK。誰かに相談したり、自分で考えようとする姿勢があるか。
4. 英語力に不安があっても「通じなくても頑張りたい」という気持ちがある
→大切なのは「うまく話せるか」ではなく、「伝えようとする姿勢」があること。
5. 留学中の時期に大きな予定や受験などが重なっていない
→部活の大会や塾の講習、受験準備とバッティングしないかを確認。
6. 親として「子どもに任せる」覚悟ができている
→現地での細かなトラブルや生活の違いに、口を出しすぎず、信じて見守れるか。
7. 帰国後、「うまくいった・いかなかった」に関係なく、経験そのものを認めてあげられる
→「あのとき頑張ったね」「よく挑戦したね」と言ってあげられる準備があるか。
このチェックリストをすべて満たす必要はありません。
いくつか当てはまれば、十分に留学を前向きに検討できるタイミングかもしれません。
重要なのは、親も子も納得したうえで、留学に向かうこと。
それが、成功する留学の第一歩になります。